9.十五歳成人が日本を救う
 日本民族は、歴史的にも地理的にも日の丸の国旗が似合う民族である。太陽のように与える愛に徹する生き方が最もふさわしい国民である。日本神道は「けしん気神」にはじまり「天之御中主の神」「天照皇大神」と太陽の気を経典にして生きてきた民族であります。したがって万物万象に神性を認め、自らの心の汚れを自らが払い清めながら太陽のように万物万象に光を与え、熱を与えて止まない「与える愛の美徳」を誇りとして生きてきた民族であります。
 それが盗品文明という誤った魅力にとりつかれ、近隣諸国を侵略する鬼畜と化し当然の敗戦を迎えるのであるが、敗戦後は戦争を放棄してひたすら盗品文明の発展繁栄に加担し、経済大国にまでのし上がったが、盗品文明の末路には人類の平和も幸福も存在しないことに今頃気付き始めているのであります。これは日本の現状を見ても盗品文明によって物質的な暮らしは豊かになったように見えるが、精神面の幸福は地に落ち、人間同志の交際も自己中心の自分さえ良ければという利己的な生き方が多くなり、国民の生活も国のため社会のために尽くす人は少なく、自分中心のレジャーだ、スポーツだ、パソコンだ、インターネットだ、利殖だ、投資だ、株式だと言って投機に没頭している姿を見ても盗品文明の病状は深刻である。
 特に政治家も科学者も国民も盗品文明の中で生きているという自覚さえない状況は、救い難い重病人である。この重病人を救う道はただ一つ、十五歳成人という方法がある。十五歳成人ということは盗品文明の汚れのひどい高齢者の政治を避けて、同時代の太陽エネルギーだけで充分生活する力をもっている若者に日本の政治をゆだねることであります。
 十五歳成人になれば、高齢者も若者に見習って自然環境を破壊しない同時代の太陽エネルギーで生活する道を開拓するようになります。同時代の太陽エネルギーは、人間が呼吸している空気の親であり、飲料水の親であり、農作物の親であり、生命の親であるから、朝は日の出を迎えて太陽に挨拶するようになります。呼吸をしても、食事をしても、「お日さまありがとうございます」と挨拶するようになります。一日二十四時間が感謝と報恩に充ちた一日となります。
 そうなると病人の数は減少して医療費は万分の一に減少し、医療保険も社会保険もいらなくなり、盗品文明によって生まれた膨大な法律もいらなくなるので、国会議員の数も公務員の数も半減、半減を繰り返し、世の中は小さな政府で大きな幸福を生み出す若々しい国家が完成します。そして国民は、自己責任で自分のことは自分で責任をもって生きる楽しい自己責任社会を創造してゆくことでしょう。
 盗みは釈尊の五戒(偸盗、邪淫、妄語、殺生、飲酒)の中でも最も強調された行為であり、人間堕落の始まりに位置づけられています。人類社会は、一日も早く盗品文明を中止し、有り余るほど降り注いでいる同時代の太陽エネルギーを有効に活用して万物万象と共に平和に平等に暮すことが何よりも大切であります。そのためにも十五歳成人という世直しの大網を確立して世相の刷新を計ることが大切であります。
 人間は、自分の幸福を神佛に祈るような欲張ったことを考えなくとも、神にも仏にも好かれる自分の心を自分の努力で完成すれば自然に幸福は天から与えられます。これが二十一世紀の新しい宗教であり、それを実現する政治が十五歳成人のエネルギーであります。このような十五歳成人のエネルギーは、二十歳成人という移植期が過ぎた徒長した苗木を移植するような現代の大自然の摂理を無視した制度とは異なり、天地人共に祝福される成人適齢期なので、成人式を迎える本人も、受け入れる社会も、大宇宙の新鮮な大エネルギーを受けて世の中の矛盾した部分が音を立てて変わってゆきます。つまり、同時代の太陽エネルギーの中で見事な世直しが始まり、堕落した日本の政治、経済、文化というものが根底から改善されてゆきます。これは人為的な行政改革とは比較にならないほど偉大な救世の大改革であります。
 同時代の太陽エネルギーを中心とした十五歳成人という社会は、互いに助け合って生きる共生の世界への復帰であるから、政治も、経済も、文化も純粋さを取り戻し、利己主義者が世の中から自然に排除されるようになります。そして十五歳の国会議員、二十歳の総理大臣の出現もあり得るので、その若き生命の輝きは働かない者は食うべからずといった緊張した自己責任社会が国民の間に広がり、今まで奪う愛を常習としていた盗賊のような生活をしていた人もそれが出来なくなり、国民は等しく自己責任を果す平等で公平な明るい楽しい社会が自然のエネルギーの中で実現するのであります。
 また、若さあふれる二十歳総理には、借金で政治をするような虚栄をむさぼる無能な政治家の当選を許すことはなく、すべての国民が自己責任を果す真面目な生活に戻れるようになるので、日本社会は一挙に太陽を中心とした与える愛の民族として世界各国から尊敬されるようになります。
 日本の政治は、国会議員七百余名の烏合の衆の政治が続いているが、烏合の衆が醸し出した借金地獄は二十歳総理の若さが一挙に解決して、世の中は明るさを取り戻します。行政改革は、本来ならば国会議員を半減することを国民に告げてから国民の協力を得るのが順序であるが、現実は国会議員一人も減らさずに烏合の衆のまま行革を推進しようとする高慢な政治が行われている。しかし、どのような行政改革も改革者自らが範を示し、大綱を示し、国民が納得した上で行政改革を断行すれば、天地人のエネルギーが味方するので平等で平和な立派な改革が完成するのであります。
 十五歳成人は、改革の大黒柱であり、日本国民が失った美徳を取り戻し、太陽のように世界中に明るい光と温かい愛を平等に与える日のもとの国の使命を取り戻すことが出来るのであります。(詳しくは人は誰でも(八)参照)

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