7.人はなぜ裸で生まれ裸で死んでゆくのか
すべての人は裸で生まれ裸で死んでゆきます。なぜなのでしょう。多くの人はそれは当り前だ、不思議なことでも何でもない、と真剣に考えようともしないまま人生の終末を迎えます。しかし、人間の一生は母親の子宮という宮殿に宿った瞬間から始まっている。これが皆さんの肉体がこの世に誕生して来た瞬間の姿であります。
人間は、人間の生命の原点を無視した人生の中で幸福を求めようとするが、原点を無視した人生には幸福も健康も平和も訪れないのであります。
人間の住む世界は、神佛のふところ住まいである。盗品文明による発展繁栄も利己主義も許されていない慈悲共生の陽気ぐらしの世界であります。今人類が血眼で追い求めている宇宙開発も盗品文明も求めれば求めるほど人類の自滅が早まるだけで何の意味も持たない邪道である。しかし、案ずるには及ばない。今からでも自分の誤りに気付き悔い改めることができれば、どのような矛盾も吹き飛ばす能力を人間は持っている。
人間には生まれながらにして絶対の真理を内蔵した肉体が共生という枠組みの中で与えられている。これは人間だけでなく、宇宙の万物万象が等しく天上天下唯我独尊の肉体経典を内臓して生きています。釈尊はこのことを自灯明、法灯明と名付け、刻々と変化する現象の中に輝く自灯明、法灯明の光を人生唯一の経典にするようにと説いて釈尊の教えを締めくくっています。
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