8.閻魔大王の裁き
人々は、この世で使命を果し終えたあとは、全員が肉体を返上し、名誉も地位も財産も返上して、丸裸で新しい世界に生まれに往きます。その時、どうしても通らねばならない道が閻魔大王の裁きの道であります。
閻魔大王は、大宇宙の大調和を司るエネルギーであります。万物万象を平等に愛し、平等にはぐくみ育てる大調和の大王であります。人々は、名誉も地位、財産、美醜も捨てて丸裸の姿で心一つが閻魔大王の前に行くのであるが、長い間、人類社会の我欲に汚れた見るも憐れな自分の心の姿を見て恥じ入る人がほとんどである。中にはこんな利己主義的な強欲長けた心は自分の心ではないと反発する人もいるが、冷静に良く考えてみると太陽に対しても、空気や水に対しても、食物たちに対しても「あるのが当り前」「万物万象は人間のためにあるんだ」といった高慢な心が恩を忘れ、恩義に報いる心までも失い、奪う一方の生活をしていた自分の心を振り返って見て、はじめて閻魔大王の裁きに納得するのであります。
閻魔大王は、大宇宙の大調和のエネルギーであります。人間は悪いことをすれば地獄に落ちる。良いことをすれば極楽に行けるなど唱える人もいるが、閻魔大王はそのような次元の低い心の狭い世界に存在するエネルギーではなく、良いことをしようが悪いことをしようがすべて可愛い吾が子であります。吾が子の幸福を願わない親がいないように、すべての人の幸福を願って最大限の愛を注ぎ、最大限の慈悲を注いで一人残らずすべてのものを大調和の世界に導き入れないではおかないというのが閻魔大王の使命であり親心であります。
人間は、万物の霊長などといった誤った考え方を持っている人もいる。そのような誤った考え方も閻魔大王の前では全く通用しないが、不思議なことに全員が納得して喜んで大調和の世界に入ってゆくのが大宇宙の大調和のエネルギーであります。
人類はこのような大宇宙の大調和のエネルギーが理解できなくて、死後の世界に地獄極楽を夢見て古墳を作り墓を作り、死後の戒名まで付けて「これこそが万物の霊長のすることだ」と威張っているが、そうした浅墓な誤りも閻魔大王の前ではすべての人が自分の心の姿を見て悔い改め、全員が納得して大王の裁きに応じるので大宇宙の平和は永遠に保たれるのであります。
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